誰かが亡くなると誰が相続人になれるのかは、民法で定められています。
例えば、夫婦と子で構成された家族の夫が亡くなったら、相続人になれるのは妻と子というようにはっきりしています。
しかし、中には家族も知らない隠れた相続人がいる場合があります。
例1) 夫が妻と結婚する前に付き合っていた女性との間に子がいた(認知はしていない)
このように夫に隠し子がいた場合、認知をしていなければその子は相続人になれませんが、夫の死後隠し子側が認知を請求し(子は父または母の死後3年間は認知請求訴訟を起こすことができる)、認められれば相続人となります。
相続人であれば、後に出てきる遺産分割協議に参加させなければなりません(相続人全員が参加しない遺産分割協議は法的に無効です)。
遺産を分割した後に認知が認められた場合は、遺産分割協議自体をやり直す必要はないですが、請求があれば他の相続人はその子の相続分相当の価額を支払わなければなりません。
また、もともと認知はされていたが、相続があったことを知らされていなかった場合もあります。
こういう場合には、他の相続人に対して相続回復請求の申立てを家庭裁判所に起こすことができます(相続回復請求権は相続権の侵害を知ったときから5年、または相続開始から20年で時効消滅します)。
例2) 被相続人に隠れた兄弟がいた
子がいない夫婦の夫が亡くなった場合、夫の両親がすでに亡く、夫が一人っ子であれば、遺産は全て妻が相続するはずですが、夫の母が父と結婚する前に、別の男性と離婚していて、その男性との間に子が生まれていたことがわかりました(離婚後男性側が引き取っていた)。
こういう場合、夫の半血兄弟にあたる者が自分の相続権を放棄しなければ、妻は全遺産を相続することはできず、遺産の4分の1は夫の兄弟の相続分として支払わなければなりません。
しかし、生前夫が妻に全財産を相続させる旨の遺言書をきちんと残しておけば、被相続人の兄弟姉妹には遺留分がないので、妻が100%相続することができます。
以上のように、隠れた相続人がいることは決してめずらしいことではないので注意が必要です。
そもそも、法律的には相続人全員が揃わなければ遺産分割協議(財産分けの話し合い)をおこなうことができないし、相続人全員の同意がなければ遺産を分割することはできません。
そこで隠れた相続人がいるか疑わしい場合には、調査するために亡くなった人の戸籍を取り寄せる必要があります。
それも現在(亡くなった時点の)戸籍だけでなく、古い原戸籍や除籍も調べます。
戸籍の移転や改制があった場合、新しい戸籍には古い事項が載らないことがあるからです。
戸籍を遡れば、過去に認知した子がいたら記載が残っているのですぐにわかります。
また、例2)のようなケースが考えられる場合は、亡くなった本人だけでなく、本人の両親の戸籍も同様に調べてみる必要があります。
但し、遺言書があればあまり問題にはならないでしょう。
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