遺産分割方法

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 遺産分割方法

各相続人の相続分が決定すれば、いよいよ財産分けです。
ところで、相続分とは各相続人の遺産の取り分(割合)のことです。
法定相続分では、夫が亡くなったときの妻と子供二人の相続分を、それぞれ妻50%、子25%、子25%としています。
遺産が現金や預金だけなら、これを相続分にきちんと分けることは簡単です。
しかし、実際の相続財産は、土地・建物・マンションなどの不動産、株式、車などの動産等様々な形で残されていて、むしろ現預金の割合はそれほど多くありません。
これら様々な姿をした遺産を、相続分通りに正確に分けることが簡単ではないことは、ちょっと考えてみれば分かります。
特に不動産や株、動産などは、それを評価し相続時の金額(時価)に換算しなければなりませんし、評価(相場)は絶えず変化しています。
ですから実際の相続では、相続分通りにぴったり分割することにこだわるのはあまり意味がありません。
相続人間の合意で、多少アバウトになっても、速く遺産を分割することのほうが大切です。
ただし、相続財産を正しく評価することは、相続税を計算するときに必要なので、特に被相続人が土地持ちなどの資産家の場合はおろそかにはできません。

遺産分割にはいくつかのやり方があります。
遺産分割の様態で、遺産全てを一度に分割することを全部分割と言います。
遺産の一部を分割するのが一部分割です。
もちろん、全部分割をして、相続手続きを速やかに終わらせるほうがいいのですが、それができない場合があります。
例えば、財産分けが決まらないうちに、相続税や債務の支払期限が近づいたので、不動産の一部を売却して得た現金だけを分割してこれらの支払いに充て、残りはさらに話し合って解決しようとする場合などです。
一部分割は、相続人全員の合意があればおこなうことができます。
しかし、一部分割は問題の先送りであり、遺産分割をさらに複雑にする可能性が高いため、おすすめできません。

遺産分割の具体的方法には、現物分割、換価分割、代償分割があります。
現物分割は、遺産をそのままの形で分割する方法です。
自宅は妻に、定期預金は長女に、株は長男に、という具合に分割します。
現物分割は、相続分ぴったりに分けることは難しいですが、一部に代償分割等を利用して誤差を修正すればよく、一番簡単な分割方法なのでおすすめです。
なお、一筆の土地を共有にすることも現物分割の一種ですが、こちらは特に同一順位の相続人間でおこなうことはおすすめできません。
ある相続人が自分の持分を売却したり、相続人の死亡によって二次相続が起きたりすると、その土地の権利関係はますます複雑になり処分が一層困難になるので、不動産はできる限り単独所有すべきです。
換価分割(価額分割)は、遺産を売却し現金で分ける方法です。
現物分割が無理な場合、ある不動産を誰も欲しがらない場合などにこの方法を使います。
現物分割と組み合わせて(現物分割を補って)利用されることが多いです。
しかし、換価代金(売却代金)には、譲渡所得税がかかりますので注意が必要です。
代償分割は、遺産の現物を1人か一部の相続人が受け取り、その代償として残りの相続人に相続分に相当する現金などを支払う方法です。
家業や遺産が農地などのため、遺産を分割したり売却したりできないときに利用されます。
他の相続人に対して一括で代償金を支払うことができない場合には、分割払いをすることも相続人間で合意があれば可能です。
なお、代償金には贈与税はかかりません。
遺産分割は、現物分割を中心におこない、相続分に近づけるよう換価分割・代償分割を組み合わせるのがベストです。

遺産分割に関する注意点がひとつあります。
それは、分割によってある相続人が受け取った遺産に隠れた瑕疵があったり、実は遺産ではないことがわかったなどの場合には、他の相続人が瑕疵担保責任を負うということです。
例えば、遺産の中に債権(他人への貸出金)があるけど、その債権が実際に回収できるかどうかわからず不安であれば、相続人の誰もがその債権を受け取りたくはないでしょう。
ですからこういった場合は、相続人同士が瑕疵担保責任を負い合わなければならない決まりなのです。
これは、相続人間の公平を期するためであって、さらに細かい瑕疵担保責任の定めがあります。
なお、被相続人は遺言でこれらの担保責任とは別の定めをすることができます。

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