遺留分とはなにか

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 遺留分とはなにか

日本は私有財産制度をとっていて、財産は個人の私的所有に属しています。
人は生前に自分の財産を自由に処分できるように、死後の財産の帰属も生前に自由に決定できるというのが、遺言による指定相続分が法定相続分に優先される理由です。
しかし、人は単独で生きていることはまれで、家庭を持ち家族を養って暮らしています。
例えば夫が亡くなり、その夫が稼いだ財産に依存して暮らしてきた妻や子に、遺産が全く留保されなければ、たちまち生活に窮する自体になるかも知れません。
また、亡くなった夫名義の財産には、妻の潜在的持分(共有財産)が含まれているとみなされています。
さらに、遺産の中には祖先によって築かれ相続によって受け継いだものもあるかもしれません。
こうした理由から、相続においては遺産の一定割合を一定の相続人のために留保できることになっていて、これが遺留分という制度です。
つまり遺留分は、遺言によっても奪うことができない、一定の相続人に保証された一定の財産のことです。
遺留分の権利は一定の相続人が持っている潜在的権利であって、遺留分権利者が相続開始か自分の遺留分が侵害されていることを知ってから1年以内に、権利(遺留分減殺請求権)を行使することによって、はじめて効力を発揮します(相続開始から10年経つと自動的に時効)。
ですから、遺言書の内容がある相続人の遺留分を侵害していても、その遺言書が無効になることはありません。
遺留分を持つもの(遺留分権利者)は法律で定められていて、配偶者・直系卑属・直系尊属になります。
被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分の遺産全体に対する割合は、相続人が直系尊属だけの場合は3分の1で、それ以外、つまり相続人に配偶者および直系卑属がひとりでもいれば、遺産全体の2分の1が遺留分です。
例えば、妻子のいる人が愛人に全財産を遺言書で遺贈してしまった場合、妻子が遺留分減殺請求権を行使し全財産の半分までは取り返すことが可能です。
取り戻した遺産は、法定相続分にしたがって妻が全財産の4分の1(遺留分の2分の1)、子供が2人なら8分の1(遺留分の4分の1)ずつ分けることになります。
なお、遺留分減殺の対象となるのは遺産だけでなく、遺贈や相続開始前1年間におこなわれた第三者への贈与や、遺留分を侵すことが分かりながらおこなわれた悪意の贈与なども減殺対象となります。
また、特別受益を受けた相続人の特別受益を含めた相続分が、他の相続人の遺留分を侵害していれば、遺留分減殺請求権を行使される対象となります。

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