遺産が多ければ、相続税がかります。
ある人が生きている間にいくら莫大な資産を保有していても、その資産自体に税金がかかることはないのに、何故その人が亡くなると税金でかなりの財産を持っていかれてしまうのでしょうか。
それは相続税(や贈与税)には、社会的な公平を図るためのもの、という一面があるからです。
個人の才覚や努力によって築き上げた財産を本人が楽しむ分には許せるけど、たまたまその人の子として生まれただけで、本人は何の努力もせず、親の築いた巨額な財産でのんきに暮らせるなんて許せないから税金で奪ってやる、とういうのが相続税の本質です。
つまり、相続税には富の固定化や偏在化を防ぎ、できるだけ富の機会均等を図るために、国が相続人の1人となって財産を受け取り、社会に還元するという目的があるのです。
ただし、相続には、遺族の扶養のための財産を確保したり、配偶者の潜在的持分(共有財産)を清算するという面や、代々受け継がれてきた家の文化的価値を承継するという一面もあります。
さらに、社会的公平も行き過ぎると社会主義的になり、労働意欲や創造意欲が社会全体から殺がれてしまい、文化的ゆとりもない世の中になってしまいます。
ですから、相続税には税額の計算上たくさんの控除があり、それなりの財産がある場合に限り負担することになっていて、実際に相続税を支払う人は全体の4〜5%に過ぎません。
また、いくら莫大な財産を遺しても、最高税率は50%に過ぎません(以前は70%)。
近年、特にバブルによって東京など都市部の地価が急上昇したあおりを受け、たまたま先祖から譲り受けたその土地に住んでいたために(土地だけの)資産家になってしまい、相続税の負担に苦しむ人が増えました。
そういう人たちの多くは、財産と言えば土地であり、他に現金や株などの流動資産を豊富に持ち合わせているわけではないので、相続が発生すれば相続税を支払うためにその土地を売却せざるを得なくなります。
しかし、土地など不動産を売却すれば譲渡所得税がかかります。
つまり、相続税と土地の譲渡所得税の2重の税金がかかるので、資産の規模によっては両方の税金を支払った後は、遺産がほとんど無くなってしまうこともあり得ます。
したがって、相続税がかかる予定の資産家の人は、相続や遺言に当たって事前に相続税などの税制を勉強しておくことはとても大切です。
そして、相続開始前から税金を考慮して相続分を決めるような対策をしておくべきです。
特に土地が主な財産の場合は、土地を売却し譲渡所得税を支払うことも前提にして、相続分を決定することが必要でしょう。
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