平成15年に成立した相続時清算課税制度は、相続税と贈与税を一体化し、相続をめぐる税負担を合理化しようとする制度です。
さらに、生前贈与に禁止的な高い税率を強いていた従来の制度を抜本的に改め、生前贈与をしても相続まで待っても、トータルの税負担を基本的に一緒にするのがねらいです。
従来は贈与税の税率が相続税に比べて高いために、非課税枠内(年間110万円まで)での贈与に留まることが多く、大型の生前贈与はあまり活発ではありませんでした。
そこで、この制度によって老人世代から若い世代に多くの資産が移り、社会全体の消費意欲が活発になり起業が増えるなど、日本経済が活性化することが期待されています。
相続時清算課税制度は、65歳以上の親から20歳以上の子供に対する、2500万円までの贈与に対しては、贈与税を払わなくても良い(相続時に清算する)というのが骨子です。
しかも、贈与する人ごとに2,500万円まで非課税なので、一人の子が父と母から2,500万円ずつ5,000万円まで贈与を受けても非課税になります。
この制度は、従来の制度(生前贈与と相続に対しそれぞれ課税する)との選択性で、相続時清算課税制度を選んだ場合は、税務署に届け出る必要があります(従来の制度を選択する場合は、年間110万円以内の贈与なら税務署に申告する必要はありません)。
届出は、最初の贈与を受けた翌年の2月1日〜3月16日の間にします。
この制度では、非課税枠が累計2,500万円までで、その枠内であれば贈与財産の種類、贈与金額、贈与回数に制限はありません。
しかし、2,500万円を超える部分については、一律20%の贈与税がかかります。
なお、贈与の目的が住宅の取得や増改築の場合は特例が設けられていて、親の年齢が65歳未満でもよく、非課税枠も3,500万円と拡がります。
ただし、この特例には期限があり、平成19年12月31日で終了の予定です。
相続時課税制度は、特に将来相続税がかかる見込みの無い親子間での贈与にこそ大きなメリットがありおすすめです。
従来の制度では、相続まで待たずに生前贈与で大きな資産を移転しようとすると、多額の贈与税負担が生じていました。
しかし、この制度によって、2,500万円までなら全く税金がかからずに生前贈与ができるようになったのです(相続税もかかりません)。
【相続時生産課税制度のポイント】
〔適用対象者〕
・贈与者は、満65歳以上の親。
・受贈者は、満20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む。)。人数の制限はない。
〔適用手続〕
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに税務署へ本制度を選択する旨を届出。
・本制度の選択を一度届け出れば、以後同じ贈与者からの贈与について相続時まで本制度の適用が継続。
・@受贈者である兄弟姉妹が別々に、A贈与者である父、母ごとに、選択可能。
〔適用対象となる贈与財産等〕
・与財産の種類、贈与金額、贈与回数に制限はない。
〔税額の計算等〕
●贈与時
・制度の対象となる親からの贈与財産について、他の贈与財産と区別して、贈与時に贈与税(軽減)を納税。
・申告を前提に、2,500万円の非課税枠(限度額まで複数回使用可)、これを超える部分については税率20%で課税。
・住宅取得等資金の贈与の場合については、贈与者年齢要件(65歳以上)を撤廃するとともに、非課税枠を 拡大 (1,000万円の上乗せ)。(適用期間:平成15年〜平成19年)
・特定同族株式等の贈与の場合については、贈与者年齢要件(65歳以上)を60歳に引き下げるとともに、 非課税枠を拡大(500万円の上乗せ)。(適用期間:平成19年〜平成21年)
●相続時
・選択した子は、制度の対象となる親からの相続時に、それまでの贈与財産と相続財産とを合算して計算した相続税額(計算方法は従来と同じ)から、既に支払った贈与税相当額を控除。
・相続税額から控除しきれない贈与税相当額は還付。
・相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の時価。
Copyright(c)2007〜2015 遺産相続簡単ガイド All rights reserved.